【板橋区議会】補正予算審査の質疑から考える――物価高対策と金利上昇と奨学金の「正しい構造」とは?

区政レポート

2026.09.30

板橋区議会

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【板橋区議会】補正予算審査の質疑から考える.物価高対策と金利上昇と奨学金の「正しい構造」とは?

【板橋区議会】補正予算審査の質疑から考える――物価高対策と奨学金金利の「正しい構造」とは?
9月29日、板橋区議会にて補正予算の審査が行われ私も出席しました。
そこで「あれっ?本当に?」と言った質疑を目の当たりにしましたので皆様にご報告し一緒に検証したいと思います。

今回の補正予算をめぐる議論の中で、議員側からいくつか特徴的な質疑が出されました。
一見すると区民の皆様の関心が高いテーマに見えますが、経済の仕組みや制度の事実関係に照らすと、疑問が残る内容も含まれていました。

補正予算審査の中で感じた「課題の本質」について、私の見解を区民の皆様へご報告いたします。

1. 「区独自でさらなる物価高騰対策をやらないのか?」という議論について
質疑では「なぜ?区独自の真水の物価高騰対策が入っていないのか?」という趣旨の指摘がありました。
しかし、現在進行している物価高(コストプッシュ・インフレ)の背景には、「歴史的な円安」「エネルギー(原油・LNG等)や原材料の輸入価格高騰」「デジタル・サービス赤字」「地政学リスク」といった、国全体・世界規模のマクロ経済要因があります。

こうした局面において、地方自治体が市中にお金を配る(現金給付や商品券の発行等)ような手法をとっても、マクロなインフレ抑制効果はほとんど期待できません。配る源資は「税金」なので効果が出ない場合、税金の無駄遣いとなってしまいます。

それどころか、供給制約がある地域経済において短発的な需要刺激を行うことは、局所的な「インフレ圧力」を強める懸念すらあります。

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国と板橋区のマクロ経済対策役割

2. 「金利上昇に伴う奨学金返済への支援」という提案もありました。
もう一点「政策金利や長期金利が上昇しているため、奨学金の返済負担が増す。区が支援すべきだ」という趣旨の質疑がありました。
私も「金利」については、日ごろの市況分析で関心をもって注視していますので、聞き耳を立てましたが「あれっ?本当に?」と思いました。
これは制度上の事実誤認に基づいたエピソードです。
公的な奨学金制度(日本学生支援機構・JASSOなど)において、返済の仕組みは以下のようになっています。

奨学金のしくみ
奨学金のしくみ

無利子(第一種): 金利上昇の影響を全く受けません。JASSOの選択率としては「利率固定方式」を選ぶ方が大半です。
有利子(第二種): 「利率固定方式」はもちろん、「利率見直し方式」であっても、返済開始(貸与終了)後は固定金利となります。
ただし、おおむね5年ごとに利率の更新もありますが、見直し方式であっても年3.0%の上限が設定されているほか、返還困難時の減額返還・猶予制度が用意されています。
つまり、「現在返済中の人が、近年の金利上昇によって急に返済額が増える」という構造は、存在しません。
前提となる事実が異なる以上、公金を投じて「返済金の利子補填」を行うという政策論は成立しません。
もし若者や子育て世代の支援を行うのであれば、国の返済猶予・救済制度の周知徹底や、地域での雇用・所得向上につなげる施策こそ優先されるべきです。

おわりに議会における議論は、単に「困っている声があるから予算をつける」という情緒的なアプローチだけでなく、「その課題の原因は何か?」「制度の仕組みはどうなっているか?」「投入した公金に対して確かな効果が見込めるか?」という冷静な検証が不可欠です。

なぜならば源資は、納税者からお預かりをしている「税金」だからです。

本日の答弁者もしっかりとこの様な説明をするべきでありますが、正しい認識を補正する答弁がありませんでした。
これでは、議論のベースを正常にしないまま議論が進んでしまうのでこのような議論からは、何も生まれません。
答弁者もしっかりして欲しいと強く思いましたので、ここでご報告させて頂きました。

引き続き、根拠に基づいた政策論議(EBPM)を通じて、区民の皆様からお預かりしている「税金」が最も効果的に活かされるよう、確実なチェックと提言を続けてまいります。

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