板橋区議会から解説「全東信」の破産手続開始
区政レポート
2026.07.08
板橋区議会
テーマ:
板橋区議会から解説「全東信」の破産手続開始
クレジットカード決済仲介会社(決済代行会社)である「全東信」の破産手続開始、本当に言葉もありません。
日々の売上が突然ストップし、本来入るべき代金が凍結されてしまう。事業者、特に日々の現金流動性が命である飲食店などの皆様にとっては、まさに死活問題であり怒りと不安で夜も眠れない状況とお察しいたします。
板橋区議会議員として、この未曾有の混乱を乗り切るために「今すぐ事業者が取るべき現実的な対処法」を、法務と資金繰りの両面から分かりやすく整理しました。
1. 運行の応急処置(決済ルートの確保)
まずはこれ以上の被害を拡大させないための「止血」が最優先です。
👆全東信経由の決済端末の即時停止
全東信のシステムをそのまま使い続けると売上がさらに未入金プールに吸い込まれてしまいます。
店頭でのカード決済やQRコード決済において、全東信経由のルートはただちにストップしてください。
👆 代替決済手段への切り替え
一時的に「現金のみ」にするか、全東信を挟まない他の決済代行サービス(Square、Airペイ、STORES決済など即日〜数日で導入可能なもの)へ緊急で申し込んでください。
2. 債権の「証拠保全」と集計
破産管財人や金融機関、税理士と交渉するにあたり、「全東信にいくらお金を握られているか」を証明する客観的な証拠が絶対に必要です。
👆 手元に残すべき資料
全東信との加盟店契約書
カード売上の明細データ(管理画面のキャプチャやCSVダウンロード)
直近の入金履歴(通帳のコピー)売掛金台帳
👆やること
「すでに確定しているが未入金の金額」と「直近で決済され、これから確定する金額」を峻別して、合計いくらの被害が出ているかを1円単位で算出してください。
3. 国・金融機関の支援制度を使った「つなぎ資金」の確保
決済代行会社の破産による未入金は、管財人から10割戻ってくることはまずありません(配当があっても数%〜良くて1〜2割、しかも1年以上先です)。
まずは直近数ヶ月の資金ショートを防ぐ融資に動いてください。
① セーフティネット貸付(日本政策金融公庫)
公庫の「経営環境変化対応資金」は、取引先の倒産等で一時的に資金繰りが悪化した中小企業のための融資です。まずは最寄りの公庫支店へ「全東信の破産で未入金が発生し、資金繰りが厳しい」と相談してください。
② セーフティネット保証1号(信用保証協会)※要指定
破産等に陥った大型倒産事業者に売掛債権を持つ中小企業を対象に信用保証協会が通常枠とは別枠で100%保証を行う制度です。
注意点: 適用には経済産業大臣による「指定事業者」への登録が必要です(現在、食団連などが国へ働きかけ中)。指定されれば、市区町村の商工担当課で認定を受け別枠での融資が受けられるようになります。資料を準備して続報を待ってください。
③ 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)
もしこの共済に加入している場合、取引先の倒産により回収困難となった売掛金債権について、無利子・無担保で共済金の貸付(掛金総額の10倍、最大8,000万円まで)が受けられます。全東信への未入金が対象になるか、中小機構や金融機関の窓口に大至急確認してください。
4. 法務・税務の手続き
① 破産管財人への「債権届出」
破産管財人から今後、債権届出の案内が届く、または裁判所から通知があります。
指定期間内に必ず「2」で集計した未入金分の債権届出を行ってください。
👉アドバイス: 「どうせ返ってこないから出さない」は絶対にNGです。
この債権届出をしたという事実(証拠)が、後述の税金対策や共済の利用に必須となります。
② 顧問税理士への相談(貸倒処理)
回収不能となった売上代金は、税法上「貸倒損失」として損金(経費)に算入できる可能性があります。
これにより、利益を圧縮して法人税や所得税を減らす(あるいは還付を受ける)ことが可能です。
どのタイミングでいくら損金算入できるかは、法的整理の進捗によるため、必ず顧問税理士と連携してください。
5. 特殊な契約形態に対する警告
もし、全東信を通じて「他人名義」や「実態と異なる契約形態」で加盟店契約を結んでいた(いわゆる名義貸しや規約違反に該当する形態)店舗がある場合、破産手続きの中で債権として認められないリスクや別の法的トラブルに発展するリスクがあります。
心当たりがある場合は、公的な相談窓口ではなく、商工会議所の法律相談や個人の弁護士(事業者なので法テラスは利用できないケースが多いです)に直接、守秘義務のもとで個別相談することをお勧めします。
大変な局面にありますが、まずは「目前の決済ルートの切り替え」と「公庫等への資金繰り相談」に全力を注いでください。道は必ずあります。

